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 万年筆(他力本願)の記事一覧 

 百合に捧げる3本の剣 

「よくもまあ、家族に内緒でこんなもの…(以下略)」
と何回思ったことでしょう。
ちなみにこれが最初でも最後でもないあたりがポイント。
正直、父とは血縁を意識せずにはいられません。

はいはい、モンブランですね、限定ですね、作家シリーズですね。デュマですか。
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……待て。
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まさかの本物の三銃士とは。
はい、万年筆、ボールペン、メカニカルペンシルの3本セットでございました!

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これがモンブランがやらかしたというサインですか。
なんでも発売当初、父親でなく息子のサインつけちゃったらしいですね。
後で回収して新しく父親のサインで作り直したとか。
息子のサイン入りの方が価値ありそうですが、
我が家にあるということからこれは父親の正しいサインと思われます。
(多分、馬鹿丁寧に交換に応じていると思う)

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この軸は正直微妙だと思う。
なんだろう、岩っぽいから巌窟王モチーフ?

ともかく私の興味はBPとMPにありません。
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これはコンデジのジュエルちゃんで撮影したものです。
苦手なペン先がんばりました。
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クリップがサーベル柄なのが一番好きなポイントです。


デュマは、それこそ中学1年生のころに面白いからと父に勧められて『三銃士』を読みました。
マジで文学少女と呼ばれていた遠い昔です(その後転落)。
で、さすがに潔癖でして。
ヒロインのコンスタンスが「人妻」というのがどうしても納得いかなかった!
というか、ダルタニャン以外の三銃士のお相手も全員人妻ですよね?
お前らには不倫への疑問や抵抗はないんか!?
……なので、いつもなら物語にどっぷり浸りこむタイプなのにあまり集中して読めず、
更に続編を勧めてくる父にお断りしました。
むしろ『モンテ・クリスト伯』にははまりましたよ?

息子の方は『椿姫』しか知りませんが、読んだか定かではないのです。
『椿姫』に影響を与えたといわれる『マノン・レスコー』は読んだとはっきり覚えているのに。
はい、不倫よりも娼婦に抵抗がありませんでした(笑)

そんなことをつらつらと思い出しながら、三銃士たちにはよそに旅立ってもらいました。
いやだって、この万年筆149サイズだから使わないし、軸も好みじゃないし。
どう見ても私には合わないからね。
家に残すより彼らもきっと幸せになったでしょう。
めでたし、めでたし。


 ごめんねレクイエム 

私はそもそも重いからという理由で金属軸が苦手です。
金々銀々ピカピカしているのも、なんというか自分に合わないから苦手。
軽くてきれいな樹脂バンザイ。

さてそんな高瀬の一親等血縁者でありながら、
父は黒軸も金属軸も大好きで。
……まあ、昔から女の趣味も合わなかったしね。

今回はこちらの金々ぴかぴかの1本をご紹介。
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太い、重い。量ったらほぼ50g。
箱も保証書も無し。
ただキャップ下の胴軸に流麗に刻まれた「S.T.Dupont PARIS」

そもそもデュポンの万年筆なんて、趣味文で眺めて終わるものでした。
(オードリーは例外中の例外で欲しいんだけど)
実用品というよりも宝飾なイメージ。
まあお値段もかわいくないし?

私の父はコレクターではなく、基本どんなペンであろうと
平気で普段使いする人です。
それはいい。
筆記具として生まれたからには仕舞われているより使われる方が幸せだろうし。
でも。
もう少し気を遣え~っ!!!

革のペンケースに入れるのはいい。
でも仕切りのないペンケースに2本も3本も入れるのはやめて!
金属軸と樹脂軸の同居→樹脂軸が傷つきます。
金属軸同士の同居→どちらも傷つきます。
おわかりでしょうか。
父の金属軸のペンは、未使用以外、どいつもこいつも傷だらけ!
樹脂軸なら磨いて消せる傷も、金属軸だと限界が。
というか手におえないですよ?
まだ傷はキャップに集中しているけれど。
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とりあえず洗浄をしようとしてもデュポンは初めて扱うし、
首軸のはずし方すら分からない。
まさか尻軸にある取っ手を引き出して回転させることで首軸を緩めてはずす仕様とは。
鉛筆のエクステンダーみたいな感じ?
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そしてやわらかいとはいえ、樹脂製の黒い首軸の接続パーツまで傷だらけなのは何故。
それでも色々がんばったよ。
でも首軸の金属部分やコンバーターの先の金属部分があきらかに腐食してます。
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そして父は何本もパーカーのペンマンインクを持っている……。
使ったね? 使っただろう、ペンマンインク!!!

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首軸の刻印からデュポンのペンだということは分かります。
それしか分からない。
でもこいつは限定の匂いがぷんぷんするぜ!

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尻軸あたりにサインらしきものがあるけれど、
だいたいアルファベット圏の筆記体と日本語でも草書体は
さっぱり読めないんだってば!
活字体や楷書が好きだーっ。

でもまあ、本体からヒントを得なければならない。
なんとなく、軸のラインが五線譜ぽい。
首軸近くの五線譜には楽譜らしきものもある。
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検索ワードをあれこれ変えながらようやく素性が明らかに。

1991年1,000本限定
モンパルナスベース
没後200年記念
モーツァルト・レクイエム。
金属・金メッキ仕様。
ペン先18k。字幅F。
重量約50g。      

よりによって楽聖……。
いやまあ、知ってるよ?
下ネタ満載の手紙とか書いてたって。
でも音楽家としてはやはり偉人中の偉人。
そして高瀬はモーツァルトのレクイエム、好きなんだよー。

ごめん、本当にごめん。
こんなに傷だらけにしちゃってごめん。
腐食までさせちゃってごめん。
私がしたわけじゃないけど、ごめんねモーツァルト。

 獄中は玉虫色(もしくは玉虫色の肖像) 

このあたりで、私が「ぎゃっ!」となった大物を一発ご紹介。

わたくし、根っからの庶民で貧乏性でございます。
私のコレクションなぞ、元上代は別で最高金額で4万超えるか超えないか…
までしか出していませんし、そこまで出したのも2本くらい?
だいたい3万(税別)出せば国内上位モデルは入手できるし、
一番多いのは1万前後のものでしょうか。
だから。
正価が5万超えれば無関係だし、それ以上だと異次元だし。
万年筆コレクターの方だと当たり前の金銭感覚かもしれませんが
まあつまり。
私から見たらすごい大物なんだよ、と。

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↑この状態でぴんときた人はヘンタイだと思う。

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↑ああ、モンブランなんだね。

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↑ブック型の箱なんだ~。
で、何? もしかして何かの限定なの?

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うん、我が家にさ、まさかモンブランの作家シリーズがいらっしゃるなんざ
夢にも思ってませんでしたとも。
心臓ばくばくしながらオスカー・ワイルド氏とご対面です。
1994年の世界限定20,000本。

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箱収納の向きはもしかしたら逆かも。
おそらく購入の際に試筆したくらいでしょうか。
ちょっとペン先洗ったらうっすら青かったくらいなので。

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ベースというか太さは149みたいです。
わりと予想していたよりもおとなしい。
クリップのサイドにワイルドのサイン。

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ペン先は18kで胴軸のシールを信じると字幅はB。

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クリップとクリップリングとリングの玉虫色がアクセントなのかな?
他は配色も地味だしねー。
……なんて、最初は思っていました。
だって知らなかったんだもの。

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この軸を最初に見たときに連想したもの。
コーヒーゼリー入りのアイスオーレ。
ミルクコーヒー色でしょう?
美味しそうな軸は嫌いじゃないぜ。

さて、しかし。
同梱のカタログを見て違和感を覚えた私は、ネット検索の旅に出ました。
カタログの画像はクリップ普通に金色だったからです。
で、またしても有益な情報があったのは「万年筆評価の部屋」さまでした。

スターリングシルバーの土台の上に24kメッキがほどこされ…ていたんですね、元々。
しかしそのメッキがあまりしっかりしたものではなく、
空気に触れることで酸化して変色しやすい、と。
あ、つまり。
このアクセントな玉虫色は酸化の結果なわけですか!?

高瀬は実は銀磨きが大好きです。
銀磨きも金属磨きもあれやこれや持ってます。

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ですからこのクリップを磨くのは可能なんですが
画像が暗くなってしまって分かりにくいかもしれませんけれど
クリップのMON山BLANC部分の濃いピンクとゴールドの感じとか、
クリップ先のメタリックに輝くブルーとか、本当に美しいと思うのです。
だから、これはあえて磨きません。
それを理解してくださる方が嫁に貰ってくださればと思うのですが。
これもWAGNERに持っていく予定。
こっちのせいで酸化させたわけじゃないのに
それを理由に足元見られそうなんで。

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ワイルドは『サロメ』と『ドリアン・グレイの肖像』しか読んでません。
そしてある意味潔癖で残酷な思春期の少女は
『ドリアン・グレイの肖像』をナルシストの自業自得の末路、
『サロメ』にはヨハネの根性なし、
と切り捨てたのでした(笑)。
あと、お盆の上にどうやってまっすぐ首を載せられるか論争を友人としたような?
普通、転がります。
関心あるのそこでしたか、女子高生時代の私?
……わかるよ(笑)

後年、『サロメ』は読み返しましたが、感想はあまり変わらず。
女としてはどうしてもサロメ目線で読みますから。
だってサロメ本人が悪いわけじゃない(出生とかどうしようもない)のに
ヨハネってば話聞かないし~。
サロメも顔だけしか見てない(笑)けど、元々相性最悪ですよ?
同性愛者として知られるワイルドですが、
なんというか女性への恐怖が滲み出ている気がしました。
そしてビアズリーの挿絵のサロメはごつい不美人な男にしか見えない…。
雰囲気とかすごい好きだけどね!



 金融街の明暗 

空き箱を先に見つけていたんです。
どこかに本体があるんだろうとは思って、整理しながら出てくるのを楽しみにしていました。
でも出てきたらそれはそれはびっくりだったのです。

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ペリカンの1995年の限定、「WALL ST」です。
ペリカンの限定って、トレドとか史跡シリーズとかお高い螺鈿とか
あと色目のきれいなワンタイム・エディションとか思いつきますが
一応どんなペンか名前を頼りにネットで調べても
「万年筆評価の部屋」さまくらいしか出てこない
いささかマイナーな限定でございます。
ベースもM800だしね。

一応箱に同梱してあったカタログと見比べましてまず。
「あ、プレートが無い」

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キャップをはずして
「ぎゃっ! 傷だらけ!」

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……これでもかなり薄くなったんです。
もう思い切って#200の紙やすりまで使いましたから。
すごい最初はえぐかったんです!
これはキャップをはずした状態で靴で踏んだんじゃないか????

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ペン先が無事だったのは奇跡だと思います。
吸入機構も壊れてないし、プレートは邪魔だと思う人もいたようだし、
これだけ傷ついてたら多少荒く使っても平気だよね!
というある意味気楽なペンと言えるでしょう。

実際、男性が使われるならば
派手すぎずシック、かつさりげなく個性があるという、
なかなかカッコイイ1本だと思います。
キャップ、首軸、尻軸は画像では黒く見えるかもしれませんが
実は濃いグレーだというのも渋いかと。

さて、この記事のタイトルには「明暗」と入っております。
何が明暗なのかというと。

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もう1本出てきたからです。
それも完全未開封未使用新品の新入社員。

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もちろんプレートもぴかぴか付いています。
希望に満ちて悪鬼魍魎蠢く金融街に挑む若者という感じ?

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ペン先もぴかぴか。
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新入社員は字幅Bで、古株はF。
2本とも手放そうかと。
決して嫌いなペンではないですが、私のペンの顔してないし、
M800はやっぱり少し大きいし。
新入社員はこのまま某所の買取に回して、
古株は……今週末のWAGNERの関西地区大会に行けたら持って行こうかと思います。
まがりなりにもペリカンの限定で、使う分には問題ないし
あ……ちょっとクリップも広がってるかも。
そのあたりは実際に目で確認していただけたら。


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 そいつには仲間がいる 

モンブラン・マイスターシュテック149。
およそ私の好みから遠く離れた究極の仏壇万年筆。
記憶をたどると父から見せられた時は万年筆だけではなかったはず。
そして私の記憶は正しかったのだ!
……あまり嬉しくない。

ちゃっかりネームを入れられている兄弟。
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BPとMP、サイズは149より2段階細いクラシック。
まあ149のサイズのBPとMPは「無い」んですけど。
ああ、「趣味文」vol.25ってばお役立ちだわ。

クラシックは正直サイズとしては私に合うサイズです。
見得張って(?)149にしなくたって、クラシックで十分じゃない?
せめて旧146(ル・グラン)サイズならまだ私の手でも使えるのに。

……とか、思っていたら出て来ましたさ。
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万年筆でもなく、BPでもないMP、つまりシャーペンが。
かっきりしっかりル・グラン・サイズで。
いや、そんな太いシャーペン、いらんだろ。
しかも芯が0.9mmとかどうすんのよ。
これはどうも2本目の149と同時期に入手した模様。

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149とル・グランMPとクラシックBPのトリオ。
同じテイストとはいえ、もっと統一感が欲しいですよ?

で、更に。
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画像では少し暗く写ってしまってわかりにくいですが、ボルドー軸です。BPです。
サイズはクラシック。
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他のBPやMPはツイスト式なのに、これだけキャップ式。
MADE IN GERMANYだから1990年以降のもので、個別番号刻印あり。
生憎、私の手持ちの資料にはそんな子、載ってません。
間違いなくモンブランでマイスターシュテックなんだけどな。

このボルドー軸BPだけは「使ってもいいかな」と思いました。
黒じゃないから?
サイズがクラシックだから?
毛色が変わっているから?
ただ父はこのボルドーを赤BPとして使用していたようなのですが、
私が使うなら黒でしか使わないからレフィル用意しないといけません。
そして使いどころがわかりません。

だから常々、実用なら三菱ジェットストリームで十分といってるし。
あれなら書きやすい上に失くしても泣かなくてすむしさ。
(仕事中、何度BPを失くしてきたか……)。
そして私のペンケースに入れたら、間違いなく浮きます。
だってピンクじゃないんだもん。
あ、万年筆用のペンケースになら入れてもそれほど違和感ないか。
違和感なくても結局確実に使わない予感しかしません。

天下のホワイトスターも、私にかかると無用の長物ばかり。
なのにこちらが悪い気がするのはどうしてでしょうねえ。
ああ、もったいない。




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高瀬あずみ

Author:高瀬あずみ
関西在住。持ち物をピンクで揃えようと努力中。

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