2013年04月の記事一覧 

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 書架(1)『金星特急』 

新カテゴリ「高瀬の書架」の最初を飾るのは
2012年にもっとも私を夢中にさせた小説『金星特急』
(嬉野君・新書館ウイングス文庫・全7巻)
金星特急 (1) (ウィングス文庫)金星特急 (1) (ウィングス文庫)
(2010/01/09)
嬉野 君

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このブログを見ている方たちにとってあまり縁のないレーベルかと思います。
新書館? ウイングス? と。
競馬とはまったく無縁ですので念のため。
元々掲載されていた雑誌季刊「小説Wings」のあおりは
~本好き女子のための、ドラマティック・ライトノベル~

ジャンル的には少女向けライトノベルになりますが、この雑誌のカラーはちょっと特殊。
少女向けですからロマンスもあることもある(つまり無いのもある……)くらいで、
あおりにあったドラマティックというのがかなり重視されているというか。
ライトノベルらしく登場人物間のやりとりが面白いものが多いですが
背景はなかなか凝ったSFやファンタジー中心です。
普通の学園ものとか、そういえばさっぱり見ない……。
ちなみに雑誌が分かれてくれたおかげでBL要素は9割方ありません。
この『金星特急』はもちろんBL無し!
男性にも安心してオススメできます。

さて肝心の『金星特急』ですが、舞台はパラレルワールドの地球。
物語のはじまりは東京駅。
“金星特急”と呼ばれる謎の列車に主人公・錆丸(さびまる)が乗り込もうとするところから。
この列車、謎の美女・金星が花婿を選ぶためにつかわされ、花婿に選ばれればこの世の栄華は思いのまま、
とはいうものの、これまで神出鬼没のこの特急に乗り込んで帰ってきたものは一人もおらず、乗車は命がけ。
更に乗り込んだ途端に無差別選別があったりと心休まる隙もなく、
錆丸は乗り合わせた砂鉄(一匹狼な腕のたつ愛想のない男)と
見た目は夢の王子さまチックなのに超大喰らいのユースタスと共に冒険の旅に出ることに。

物語が始まると、パラレルワールドの説明もないので読者は多少のとまどいを覚えます。
私たちの住む地球とは歴史も違う(アヘン戦争が少し前のことだったり)上、
何より世界共通語「世界語(シージエーユー)」が使われているのですから。
(英語すらさっぱりの私にはちょいと羨ましいとか思ったのは秘密)
出身国の違うキャラクターが自在に会話ができるというご都合主義的な意味だけでなく、
これも物語にいくつも仕掛けられた「謎」のひとつでもあります。

世界は至るところ一触即発の鍋の中のシチュー状態。
日本はその中では平和を甘受していた稀有な国。
突如世界に現れた金星とは何者で超常的であるらしい彼女の能力と目的とは。
彼女が出現させた金星特急の目的地はどこにあるのか。
次に金星特急が停車するのはどこなのか。
最終的に生き残り、花婿として選ばれるのは誰なのか。
謎また謎。
花婿候補として金星特急に乗り込んだ者は途中下車を許されず、
また始発駅以外からの途中乗車も許されない。
そのふたつを破った者には罰が与えられる。
そして花婿候補として乗り込んだ人物たちに容赦なく下され続ける試練。
常識(地上の武器)無効の“金星特急”が花婿候補を乗せて世界横断とくれば……。

個性的なキャラクターたちすべてがそれぞれの事情と秘密を持ち、
“金星特急”ならびに金星の目的や正体という謎と絡み合い、
ひとつ解明したと思えばまた別の謎、と興味がつきません。
しかもちゃんとこちらの世界とリンクしたキーワードなども出てくるからもう……!!!

ミステリではないけれど「もしかしてあれはああいうこと?」とか推理考察しながら読むのもよし、
はからずもロマンス(笑)の予兆のするキャラを応援するもよし。

けれど私がこの物語に惹かれた最大の理由、それは
『金星特急』が錆丸という少年の成長物語であるからです。
最初、明るく人懐こいだけの平凡な少年だったはずの錆丸が、
幾度ともしれぬ危機と立ち向かうために色々な意味で強くなり成長していくのが実感できる、
というのが、何より魅力な物語。
本当に夢中になって次の掲載を待つ間の長かったこと!
それを完結後に一気読みできる幸福が味わえますので、
ぜひ老若男女関係なく読んでいただきたいと思います。
主要登場人物が出揃う3巻くらいまで一気に読んでみると更に面白いかと。

2013年現在、発売中の「小説Wings」冬号(no.78)と次の5月10日発売の春号、
3月に発売したばかりの画集にそれぞれ番外編も掲載。
たぶん番外編だけ集めた文庫も発売してくれると信じていますが……。

最後にミーハーなひとこと。
夏草、マジでお嫁に欲しい……。三月がついてきてもいいから。
彼はあまりにも私の好みすぎて中盤以降は謎と錆丸の成長だけでなく、
夏草の登場シーンだけで幸せでした。
家には沢山本があるよー!

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高瀬あずみ

Author:高瀬あずみ
関西在住。持ち物をピンクで揃えようと努力中。

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