スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


 文明商社探訪 

JR京都駅近くに所用があり、済ませてふと身体のあいた午後3時。
「そうだ、文明商社を覗きに行ってみよう!」
と思い立ちました。
「京都の万年筆店なら文明商社」
万年筆にはまってネットで色々検索したら出てきたフレーズです。

京都生まれ京都育ちの私ですが、京都駅付近はテリトリー外。
そんなお店があるとは初耳で。
10月末に入手したナカムラユキコさんの『京都文具探訪』(アノニマ・スタジオ刊)にもその名がありました。
しかし近年、店主の身体の調子が思わしくなく、店の休みが増えたとか、
めぼしいものはマニアがかっさらった後だとか、
そんな情報までネットは教えてくれるのです。

思い立ったはいいけれど、お休みかもしれない。
でも場所の確認だけでもしておこう。
住所はなんとなく覚えてる(七条通新町だけ)から行けるだろう。
京都は交差する通り名さえ覚えておけばだいたい辿り着けますから。

予想よりはるかにあっさりとお店を発見。
どうやら今日は開いていた模様。
ショーウィンドウには手描きの値札をつけられた国内外の有名メーカー商品が並んでいます。

さて入ろうとしたら、扉がないんですけど!
いきなり店内。
これから冬だよ?てかもう冬だよ?

入店を知らせる機械音が響くと、「はいはい」と奧から姿をあらわしたのは
親しみやすい雰囲気のご婦人。
ナカムラさんの本でこの方が三代目店主の藤本さんだとわかる。
「すみません、ちょっと見せてくださいね」
扉がないからさぞ寒いでしょうとか、いきなり世間話モード。

店内は大阪北浜のモリタといい勝負の規模。
ただし、商品はそれほど多くはない……というか、むしろ少ないです。

「プレゼント?自分用?」
自分で言うのもなんだけど、かなり得体の知れない自覚はあるので、
何を薦めていいか迷わしてしまったみたいです。
そこで初心者だけどマニアに片足つっこんでる人間だと微妙にアピールしつつ会話続行。
「今はもうあんまり変わったものはないのよ。そういうのは好きな人がすぐ見つけていかはるし」
……そこまでマニアではないです。

実物をはじめて見たプラチナのグラマーについてのお話なども伺う。
九州からこれを買いに来た人もいたとか、
仕入れの時に担当者に売れるのか不思議がられたとか。
稀少品とは思うしお手頃価格なんですが、このカタチはちょっと……。

なんか会話が気持ちいいんですね。
顔見知りの近所のおばちゃんと話している気分になってしまっていて。
息子さんがいるけれど自分の代で終わりだろうとか言われて
「私なら喜んで継ぐのに!」とか反応してしまったり。
「これだけやと食べていけへんよ」
たしかにたまにマニアが来る程度では苦しいでしょう。
京都駅から徒歩10分程度とはいえ、あまり周囲も賑わっていない立地。
市内から普通の文房具屋すらどんどん減っています。
ましてや万年筆に特化しているとなれば。

「病院通ったりしてるから、今は火木土日がお休みやの」
ん?つまり開いているのは……
「月水金ね」
開いてる日が週3日というのはハードルが高い。
「もう閉めようかと思ったんやけど、続けてくれて言われてねえ」
貴重な万年筆専門店が京都から消えるのは悲しすぎます!
まったく同意。

……で。
手ぶらで店を出られるほど私の心臓には毛がはえていなかったようです。
遠い目しちゃうね。
もうあんまり増やさないでおこうとか、少しは自戒しようと思い始めた矢先なのに。
「出会いは縁のもんどすしなあ」
昔、着物屋の女社長さんに言われた言葉を何故か噛み締めるのでした。



余談。
京都駅地下のポルタ内の文房具屋にて、色彩雫限定小瓶セット4種類発見。
限定プレラはなかったけれど、万年筆はパイロットのみに絞っている模様。
青い鳥って本当なんだね。
持ってない分、買いそうになったじゃないか。

 この記事へのコメント 

はじめまして。
私も初心者に毛が生えた頃に、文明商社さんで雑談をしながら一本選びましたよ。
なんかその時の情景がよみがえるような描写に、ついついコメントさせていただきました。

消えてほしくないお店なので、今も、インク類は会社帰りに文明商社さんで買うようにしています。
(そうそう万年筆は増やせないので。)
>にゃお様

コメントありがとうございます。
文明商社さんは初めて行ったのに、前から知っているような、
そんな気のするお店でした。

私も最初はインクで済ませようと思ったのですが、
ざっと見たところ欲しいインクがなかったので
今後ますます稀少になるであろう加藤さんの万年筆を。
往年の加藤さんへの注文のお話なども聞けて楽しかったです。

月水金だけしか開いてないので難しそうですが、京都駅付近に行く際はなるべく覗いてみようかと思っています。
この記事へコメントする














(△お好みの文字サイズになるまでクリックしてください)
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

高瀬あずみ

Author:高瀬あずみ
関西在住。持ち物をピンクで揃えようと努力中。

名前:
メール:
件名:
本文:

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。